ごあいさつ

ごあいさつ

老人ホーム太陽
施設長 鷲尾 智雄

 香港の99年の租借が終わり返還された日に打ち上げられた花火、エジプトのピラミッドやスフィンクス、地平背の向こうまで続く万里の長城。生きているうちに一度は見ておきたいです。大宅壮一さんだったか、伊集院静さんだったかが言っておられました「自分で見たものと食べたものしか、あの世に持って行けない」と。この言葉は昔から私の中にずっとあります。これに沿って生きてきたようにも思いますが、だからと言って、何かが変わったり、残ったりしたわけでもありませんが。

 しかしながら、お年寄りとの生活の中で、都度にこの言葉が浮かんできます。当施設にいらっしゃる間に、新たに一つでも二つでも体験して頂き、感じるものを持って頂けたらと思います。別に海外にというわけではありません。

桜を見、春を感じ紅葉の紅に冬の到来を思い、お食事の一品で、過去の経験に思いを馳せる。そういった生活のお手伝いをさせていただければと思います。

 私達は生き物であり、そうである以上、必ず死というものは避けがたいものです。特に私たちの施設は、ご高齢の方が、生活されるゆえ、それはより身近なものです現実に亡くなられる方はおられます。であるからこそ、その方が最後にご覧になった桜は、最後に召し上がったお食事は意味あるものでなければならず、我々が意味あるものにしていかなければなりません。

 「太陽というところにおったけど、まあまあやったな」と思って頂くために、その現実には聞こえないお言葉を頂くために、私達は介護の技術を学び、日々勉強をしていくというきがしてなりません。